理香庵駄文録

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蘇った名機 - SR-T101レストア記(1)

SRT101-27.jpg60年代から70年代にかけての名器、ミノルタSR-T101。半年がかりの悪戦苦闘の末、なんとか使える状態に戻すことができた。お化粧直しもまあまあかな。

以下、半年間のレストア顛末。

2012年5月のとある週末。ときどきのぞいてみるHardOffで、ずらりと並んだガラクタカメラの中にあったこいつと目が合ってしまった。

ミノルタSR-T101のジャンクボディ。2台ある。ひとつ525円。ホコリまみれ。もちろん動かない。でもなんだか気になる。ジャンクレンズの箱をのぞいてみるとレンズもある。ロッコール70-200mm。値段をみて驚いた。105円! トキナーの35-70mmは525円。ふたつともきたないけれど、レンズに致命的なカビもなさそうだし、絞りもちゃんと動く。目立つキズもない。こりゃあきれいにみがけば並品だ。全部買っても2000円しない。

食指が動いた。で、この日のお買い物、ボディ2台とレンズ2本。しめて1680円也。しばらく遊べそうだ。カミさんに見せたらあきれていたけれど...。

SRT101-01.jpgさて、改めて見てみると非常に汚い。雑巾でゴシゴシ拭いて、こびりついた汚れをアルコールで落としたら大分マシになった。レンズをつけて並べてみるとなかなかカッコいい。1台は製造番号160万番台(『16』と名付けます)。もう一台は140万番台(こっちは『14』)。シャッターダイアルの形状から二つとも初期型ですね。

『16』のほうは巻き上げができてシャッターも切れる。でもミラーはアップしたままで下がらない。『14』のほうは、そもそも巻き上げレバーが動かない。もちろんシャッターも切れない。2台とも表面はメッキの腐食と擦り傷があちこちに。凹みもある。

SRT101-55.jpgファインダーを覗いてみると両方ともこんな感じ。撮影を楽しむには程遠い状態。でも、カビはなさそう。きれいにするにはファインダーブロックを全部バラさなきゃならないような気がする。

さて、無手勝流でいきなりバラすのも無謀だと思って、ネットでいろいろ探してみると、先達のリストア記録がありますねね、たくさん。皆さんとても簡単そうに書いていらっしゃるけれど、私にもできるかな。さらにあちこち探していたら、海外のサイトにサービスマニュアルがありました。読んでみると英語がヘンですが、でもまあ分解図があるだけでバラす手順がわかるのでありがたい。

SRT101-02.jpg週末を待って、いよいよ分解開始。まずは軍艦(トップカバー)から。ネジを3か所、巻き上げレバー、シャッターダイアル、巻き戻しクランクをはずして、最後に『minolta』ロゴ直下のレンズ取付指標(隠しねじ)を外すと軍艦が外れます。指標(赤色)は裁縫の針で外しました。傷がついたけど…。シャッターダイアルを外す前に、ほかのサイトで解説されているように、内部機構(糸)のテンションが最も弱くなるようにシャッタースピードを『B』、感度を『6400』にしておきます。

軍艦を外すとこのカメラの機構上の特徴である『糸』が見えてきます。外してしまうと二度と元に戻せないような気がします。

ところで、この状態での注意点をひとつ。巻き戻し軸を抜いてはいけません。巻き戻し軸アセンブリを完全にバラさないと元に戻せなくなります(経験者は語る…)。詳しくは次の写真で。

SRT101-51.jpg巻き戻し軸(写真中)は、軸受(写真上)に挿入された状態でクリックストップ用リング(写真下)が軸受の溝に取り付けられています。この状態で巻き戻し軸を抜いてしまうと、クリックストップ用リングの一端が軸受の内部に出てきてしまい、巻き戻し軸を入れようとしても軸受内に顔を出したクリックストップ用リングに当たって入りません。修復するには巻き戻し軸アセンブリを丸ごとはずして全バラしが必要でした。

SRT101-53.jpg巻き戻し軸アセンブリバラすと長さ40cmを超えるゼンマイばねが飛び出してきます(写真)。ちょっとびっくりします。絞り値伝達リングや感度ダイアルの糸に加わっているテンションはこのゼンマイばねの力で与えられていたんですね。

教訓:分解の必要なき個所はバラすべからず。

閑話休題。

SRT101-58.jpg次は底カバーです。ネジ二本であっけなく外れます。『16』のほうは、ミノルタSR-T101の弱点としてあちこちで指摘されているプラスチックギア(三脚穴右の黄色っぽいギア)は欠けていない。大丈夫そうだ。

電池室も液漏れはなくきれいなものでした。

SRT101-59.jpg『14』のほうのギアはこのように欠けていました。ということで、『14』は分解手順確認のため、バラバラにしてしまいました。南無...。

プリズムはネジ2本で簡単に外れます。コンデンサーレンズのゴミをブロアーで吹き飛ばし、綿棒で軽く拭いてみてもゴミは取れそうにありません。ピントグラスにもゴミがたくさんついていそうだ。こりゃやっぱりミラーボックスを取り出さないとだめだ。続く。